公民館の隣りの広場の片隅に枝ぶりのいい末が立っている。名前が付いているようで、二代目平松とある。初代は枯れてしまったのか戦禍に見舞われたんだろうか?
公民館横の駐車場と養豚場の間に、湧水に下りていく石の階段がある。お世辞にもいい匂いとは言えないけど、雰囲気はよさそうな予感。
苔むしたような古い石段は、割りと急勾配だけど、木洩れ日が落ちて、いい感じだ。15段の石だたみ道の、下側の5段目部分は自然の岩をけずって仕上げられているそうだ。まっすぐ下りていくと右に湧水が見え出す。下ったところからUターンするように右に折れると湧き口の前庭に出る。工事中なのか、最初ちょっとうるさかったのだけど、小休止なのか突然静かになると水の音が爽やかに聞えてきた。
案内板の説明には、こう書いてある。
我如古ヒージャーガーは、今から百年ほど前の明治25年(1892)、区出身の新末吉(ミーシーシ)と上門(ウィジョー)家の優れた石工二人の指導により、区民総出で半年の月日をかけて造られた湧泉と伝えます。湧泉から流れる清水は、人々の日々の飲み水や野菜・芋の洗い水、衣類の濯ぎ水などに利用されるなど、長く地域の共同生活用水として親しまれてきました。湧水はまた、区の伝統行事であるウマチーやウビナディーなどの節々の拝み、新年を迎えるときに身を清める「若水」、子供の出生のときの湯浴みに使う大切な水は、湧き水を汲み取って利用されていました。その横には陶板画も設置されていて、ここに集った多くの人々の当時の様子が描かれている。
湧口周囲の石積みはカミソリさえ差し入れられないほど隙間のない相方積みという高度な手法で作られているのが興味深い。これは、座喜味城跡、中城城跡、首里城跡などでも見られるものだ。
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参考:多良川うちなぁ湧き水紀行
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